フィンテック企業のSREとして、AWSインフラの設計・構築・運用と並行して、Claude Codeの導入から実運用までを11ヶ月担当しました。
本案件は、以前担当した案件の企業 から、期間を空けて再度ご依頼いただいたものです。前回の案件終了後には、生成AIを利用したIaC開発について検証を進め、『生成AIとプロセス標準化によるIaC効率開発 ― AWS/Terraform/ChatGPTで試す開発標準化』を執筆していました。その後、同書を同社へ献本したことをきっかけに再度お引き合いをいただいた経緯があります。
今回は従来のSRE業務に加えて、生成AIを実際の開発業務へ導入するための利用方針やルールの策定、開発環境の整備、実運用までを担当しました。
Claude Code導入の目的
Claude Codeは、主にTerraformをはじめとするIaCのコーディング効率と品質の向上、および技術調査の効率化を目的として導入しました。
中でも大きな効果があったのが、既存コードのリファクタリングです。手作業では多大な工数がかかるため手が出せずにいた長年の懸案を解決できました。これは環境差異の改善や保守性向上につながりました。
セキュリティを考慮した利用ルールの策定
フィンテックで生成AIを利用するにあたり、使い方を誤った場合のセキュリティリスクが課題となりました。
そこでリスクコントロールの観点から具体的な利用可能範囲や禁止事項までを整理し、利用ポリシーとルールを策定しました。規制産業である点をふまえ、効率性よりもセキュリティを重視しました。これは今でも正解であったと考えています。
これらについて社内承認を得たうえで、実際の開発業務でClaude Codeを利用できる体制を構築しました。
AIを利用する開発環境の整備
Claude Codeを安全かつ安定して利用するための開発環境についても整備しました。DevContainerを利用してAIが作業する環境を隔離するとともに、CLAUDE.mdを利用してプロジェクト固有の前提や開発上の指示を与えました。
また、LinterやCheckovなどの静的チェックも導入し、AIが生成・修正したコードをローカル環境で検証できるようにしました。一方で、既存コードにはレガシーな部分も多く、すべてのチェックを直ちに必須化すると開発を阻害する状況でした。そのため一律に必須とはせず、既存システムの状態とのバランスを取りながら段階的に品質を改善できる運用としました。
実際の開発業務での活用
Claude Codeは検証用途だけでなく、実際に本番へ反映するコードの開発にも利用しました。
IaCのコーディングやリファクタリング、技術調査、ローカル環境でのコードチェックなど、日常的に利用しました。
開発効率、保守性、テスタビリティ、コード品質を改善することができました。
SRE業務との並行
生成AIの導入と並行して、SREとしてAWSインフラの設計・構築・運用も継続して担当しました。
日々の運用に加え、本番環境での新規インフラ構築や既存インフラのリプレイス、TerraformによるIaC開発、PythonによるAWS Lambda関数の開発、Goコードの修正などを行いました。
また、PCI DSSに対応したインフラの構築・運用にも継続して携わりました。
担当範囲
本案件では、以下の業務を担当しました。
- Claude Codeの導入方針策定
- 生成AI利用時のリスク整理
- 利用ポリシー・ルールの策定
- 社内承認に向けた調整
- DevContainerを利用したAI作業環境の整備
- CLAUDE.mdを利用した開発環境整備
- Linter・Checkovなどの静的チェック導入
- IaCのコーディング・リファクタリングへのAI活用
- 技術調査へのAI活用
- AIを利用したローカルチェック
- 生成AIを利用した本番開発
- AWSインフラの設計・構築・運用
- 既存インフラのリプレイス
- TerraformによるIaC開発
- PythonによるAWS Lambda開発
- Goコードの修正
- ワークフローおよび社内ドキュメントの整備
主な技術
Claude Code / AWS / Terraform / DevContainer / Checkov / Docker / Python / Go / GitHub / Datadog
※公開可能な範囲に限定して記載しています。
